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2005/02/21

【ウルトラマンティガ】 第27話、オビコを見た!

 土地開発によって住むところを奪われた「妖怪オビコ」の悲しみが、極めて
人間的に描かれている作品だと思います。 テーマの追求の仕方がさり気ない
雰囲気で好感が持てます。 人間体オビコが巨大な妖怪に変身するシーンでの
遣り場のない怒り、悲しみを表現する赤星氏の演技は、真に心に迫るものが
ありました。 そしてまた、この時の音楽が本当に素晴らしいです。

 前半はちょっとコミカル・タッチで楽しめますし、ラストの映像も
ファンタジック。 音楽の使い方も、戦闘曲がコミカルなシーンで使われたり、
戦闘シーンにマイナー調の曲が使われたりと、普段と少し違っているところが
印象的でした。

 最後のウルトラマンとオビコの心の触れ合いには涙を誘われます。
今でもオビコはどこか遠い星で生きているのではないか … と私には思えます。
ストーリー、映像、音楽、俳優さんの演技、どれをとっても申し分のない
素晴らしい作品で、本当に感動的でした。

       (1997年10月29日記載「特に印象的だったティガのエピソード」より)

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■ 音楽中心の感想 ■

 ティガとオビコが光のかけらとなって天に昇っていくラストシーンの映像の
美しさ、選曲の良さ、ユーモアを忘れない気配り、自然破壊を暗に批判する
隠れテーマ、オビコの悲しみの表現、そして、オビコという人物 (妖怪と呼ぶには、
あまりに人間的過ぎる)の描き方、演技 …… どれをとっても、文句なしの
作品でした。

…… ということで、音楽の視点からの感想を …… (番組の進行順にいきます)

★ コミカルなシーン ★

 シーリザーの回にも出てきた女性レポーターを囲んだ町の人々のデマ話に
アタフタと対応するGUTS隊員 …… その姿をよりユーモラスに見せるのに
一役買った #15「時にゃおどけて…」(M-50)。 こういう曲が話の中に
ひとつあるだけで、全体にメリハリがついていいと思います。

★ 意表を突いた選曲(その1)★

 オビコが真っ昼間に出現! …… 「町中の暗がりを探すんだ」の掛け声の後、
神出鬼没のオビコに翻弄されるGUTS隊員のシーンで使われた曲、
#7「蘇る巨人」(M-11) は、本来戦闘シーン向きの曲。
料理店の厨房の扉を開けまくるホリイ隊員の動きともリズムがぴったりで、
聴き慣れた曲なのに、何故か新鮮に感じられました。

★ 出ました、あの曲 ★

 夕焼けの町を見つめるオビコ …… この時の昔を懐かしむ台詞は抜群、
そして、そのシーンの直後の曲もとてもいい。
「のう、影法師。最後の夜じゃ。思うざま、働こうぞ」というオビコ、
町の人の「日が暮れるぞ~、オビコが来るぞ~」の台詞の部分の曲です。
これから起こる何かを予感させるシンセのイントロ …… 迫力ありますねぇ。
#8「その名は <ウルトラマンティガ >」の (M-18)です。

★ ティガサントラ第1集の「最高傑作曲」登場 ★

 昔の村が戻ってきたと踊り狂うオビコ …… そして昔の村ではないのだと諭す
ダイゴ …… オビコの涙 …… 駄々っ子のように、怒りをぶつけようとするオビコ
…… この一連の話の展開、心情の変化を見事に支える音楽。
これは、#22「遠き呼び声の彼方へ」の (M-62A) の オーボエを使用していない
別ヴァージョンですが、もうこのシーンにこれ以上の選曲はありえないでしょう。
     ※ このヴァージョンは、後に「愛のテーマ」というタイトルで、
       『ウルトラマンティガ、モア・ミュージック・コレクション』
       (1997年12月20日発売)に収録されました。(05.2.23追記)

それにしても、「行こう、静かに暮らせる所を見つけてやる。きっと、見つける
から」と、きっぱりとした口調で言うダイゴ、いいですね。
そして、変身直前の一瞬の躊躇いの表情が印象的。

★ 意表を突いた選曲(その2)★

 まさか、戦闘シーンで、マイナー調「Brave Love,TIGA」(#9 M-7) が登場
するとは !  絶望的な闘いを挑むオビコ …… いや、オビコは闘っていても、
決して本気で闘っている訳ではない ……

「町を壊してもダメなんだぞ。もう村は戻って来ないんだ~」と絶叫する
シンジョウさんの魅力的なこと!!

★ 感動のラスト ★

 光となって夜空に消えゆくティガとオビコのシーンの曲、なかなか出て来ない
と思っていたら、こんな素敵なシーンに使うために、とっておいたのですね。
#10「安らぎを君に」(M-35) とても印象的でした。 一貫して、オビコの悲しみを
表現することに焦点を当てていた音楽群の最後を締めくくるのに相応しい曲です。

それにしても、オビコはやはり死んだのではなく、ティガに宇宙の彼方の暗闇の
静かに暮らせる場所に連れていってもらったのでしょうか ……
私には、何故か死んだとは思えないのですが …… こういう解釈をしても
許されるラストの描き方だという気がするのですが ……

                                    (1997年3月記載)

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コメント

これ,とっても好きな作品です.
この話で脚本家と監督に注意してみるようになりました.

優しくて切ない話で,テーマ性もあるし、
映像も音楽も丁寧に使われていて
時に楽しく、ときに美しく仕上がっていると思います.

それにしても,ミュウさん、やっぱり音楽をちゃんと聴いていますね.

私もシーンにぴったりの曲だなあ,くらいには意識しているんですが、「この曲、聞き覚えはあるんだけど,他にはどのシーンに使われていたっけ?』ということもシバシバなんで感心してしまいます.
(ダイナの少年宇宙人」とかいくつかの例外はありますが...)

投稿: うろおぼえ | 2005/02/22 02:11

 うろおぼえさん、はるばるこちらまでおいでくださいまして
ありがとうございます。

>この話で脚本家と監督に注意してみるようになりました

 ティガ放映当時はウルトラ超初心者で、まだ本編以外の
部分にまでは目が行きませんでした。 でも、今思えば
私の最愛のコンビ「太田さん+川崎監督」作品なんですよね。
世間では「拝啓ウルトラマン様」や「最終三部作」のほうが
評価は高いと思いますが、私個人的には、これがティガの
ベスト・エピソードだったりします。(^^;;;
ティガでキラリと光るセンスを見せた太田さんですが、
ダイナでは「少年宇宙人」「ぼくたちの地球が見たい」などの
大傑作を書かれていますね。 いろいろな番組が放映されていて、
そこそこいいなぁと思う話はたくさんありますが、
「心から感動できる物語」って以外と少ない気がします。
でも、太田作品には「無条件降伏な話」が集中しているのです。
やはり太田さんはすごい方ですね。 

>それにしても,ミュウさん、やっぱり音楽を
>ちゃんと聴いていますね.

 矢野さんが音楽担当と知ってティガを観始めた私。
特撮ファンには不純な動機と思われるかも。(^^;;;
実は、最初のうちは音楽しか聴いてなかったんです。(爆)
でも、観ているうちに、スタッフ全体の気迫のようなものを
画面から感じるようになりました。「ああ、本気なんだ」と。
それ以後、真の意味でティガが好きになったのですね。

投稿: ミュウ | 2005/02/22 10:09

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